まず初めにお伝えするのは、清掃業において資格が必須というわけではなく、資格がなくても業務を遂行することは可能です。ただし、資格を取得していると、依頼者からの信頼を得やすく、安心して仕事を任せてもらえるという大きなメリットがあります。清掃に関連する資格は、ビルや医療施設から貯水槽のような設備、さらには衛生管理に至るまで多岐にわたっており、その幅広さが特徴と言えるでしょう。具体的にどのような資格が清掃業界で役立つのか、これから詳しくご紹介いたします。
施設清掃（ビルメンテナンス）
ビルの清掃とメンテナンスに関する主要な資格は多種多様です。以下に代表的なものを挙げます。
「ビルクリーニング技能士」
これはビル清掃に関する専門的な知識と技術を持つことを証明する資格です。
「清掃作業従事者研修指導者」
これは清掃作業に携わる人々を指導できる能力を示す資格です。
「清掃作業監督者」
清掃現場の管理と指導が行えることを表す資格です。
映画館やデパート、高層ビルなど、延べ面積が3000平方メートル以上の場所は「特定建築物」と呼ばれており、多くの人々が集まるため、特別な基準での衛生管理が求められます。これらの建物では、建築物衛生法に基づく環境衛生管理基準を遵守する必要があります。そのため、特定建築物の清掃を担当する際には、上記のような専門資格を持つことが必須となります。
その他の清掃業務
施設清掃以外の資格として、貯水槽や排水管、そして一般家庭の清掃に関するものがあります。具体的な資格としては以下のようなものが挙げられます。
「貯水槽清掃作業従事者」
「排水管清掃作業従事者」
「空気調和用ダクト清掃作業従事者」
「ハウスクリーニング技能士」
最初の3つの資格は、全国ビルメンテナンス協会が開催する講習会に参加することで取得することが可能です。また、「ハウスクリーニング技能士」は、清掃業界で唯一の国家資格として認定されており、受験資格として3年以上の実務経験が必要とされます。この資格を取得することで、より専門的な知識と技術を持った清掃のプロフェッショナルとして活躍することができるのです。
まとめ
清掃業界には多くの資格が存在しており、これらの資格を持つことで、専門的な知識を活かしたより細やかで安全な清掃を提供できることが期待されます。しかし、資格の有無だけで業者の良し悪しを判断することはできません。資格を持っているからといって必ずしも良い業者であるとは限らず、逆に資格がないからといって悪い業者であるとも限りません。資格はあくまで業者を選ぶ際の参考の一つとして考慮し、他の要素も総合的に判断することが重要です。また、資格が必須である清掃もあります。業者選びの際には、資格、そして実績や顧客の声などを確認し、安心して依頼できる清掃業者を選んでいただければと思います。
